本山・・・

本山 命懸け連覇!
http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/jleague/news/20081207-OHT1T00060.htm


MF本山雅志(29)は今季、先天性水腎症を発症したが、
手術を延期して出場を続けていたことを告白。
本山は自らの命を懸けて、J初となる2度目の連覇に貢献した。
今月中に手術を受けるが、復帰までには3か月以上かかる見込みで、来季の開幕は絶望となった。


走る力も残されていなかった。
優勝の瞬間、MF本山はベンチからゆっくりと歓喜の輪に歩み寄った。
DF内田、MF野沢と静かに抱擁を繰り返す。
「本当に苦しかった。優勝で報われた。うれしい。よく体がもってくれた」
涙はない。安堵(あんど)の笑みを浮かべた。


今季開幕後の3月、腹部と腰に鈍痛が走った。チームドクターの診断は先天性水腎症
生まれつきの病気が突然、発症した。
「どうしたらいいのか分からなかった」最悪、腎不全の引き金となる大病。
選手生命どころか、生命の危機を意味する宣告だった。


排尿がうまくいかないため「水分摂取」が制限された。
手術は延期できても、試合中も汗を出す分だけの水しか口にできない
食事も制限された。フル出場は許されない体となり、途中交代が増えた。
だが、オリヴェイラ・サッカーは、本山の機動力なくしては成り立たない。
チームの精神的支柱でもある。
「迷惑はかけられない」指揮官とフロント上層部には報告したが、チームメートには口をつぐんだ。


延期していた手術は今月中に受ける。
狭まっている尿管を切断し、正常な尿管同士をつなぎ合わせる予定だ
復帰まで3か月以上を要する見込みで、来季開幕は絶望的だ。
たとえ復帰しても、これまでのようなプレーができるとは限らない。
「手術するからといって、良くなるとは限らないらしい。
治るとは限らないといわれた。僕は退化していきます」

本山は寂しげに明かした。


この日の札幌戦では、優勝への重圧の中で
技術を詰め込んだキープとパス回しで、
交代する後半29分まで水もほとんど飲まずに奮闘した。
前半35分、MF野沢の決勝弾で快勝。ようやく打ち明けられる。
命と引き換えに連覇に導いた本山は、いつまでもピッチで喜びに浸っていた。


◆先天性水腎症
生まれつき尿管が狭く、排尿が正常通りにできないため、腎臓に水がたまる症状。
腎臓が膨張し、腹部や腰を圧迫して痛み引き起こす。
悪化すれば腎不全にもつながる可能性がある。
およそ600〜800人に1人がかかる病気。完治は難しい。
水分摂取の制限、食事制限などが課せられ、サッカー選手としては致命的ともいえる。


本山凄すぎる。
思えば07年の優勝天王山、浦和0−1鹿島でも
本山は相手と衝突した時にショックで一時的に片目失明状態になってしまった。
だけど岩政らDF陣のコーチングで支えてもらいながら、
片目失明のままフル出場、勝利に貢献したんだよ。


この試合の詳細は鹿島のオフィシャルに載っている。
http://www.so-net.ne.jp/antlers/game_data/game/2007/j_33.html

30分に相手のクリアボールを顔面に受け、
右目がほとんど見えない状態だったという本山は、
左サイドに入るとセンター寄りが見えにくくなっていた。
ただでさえ、本職ではないポジションに入っただけでなく、
いつものような視野が確保できないハンディも背負っていた。


後半に入ると、当然ながら、レッズはこのサイドを重点的に攻めた。
突破の起点にしようという意図が十分に感じられた。
66分、右目が利かなかった本山が見つけたゴールへの道筋を、
マルキーニョス、田代、野沢がたどって、優勝へと続く1本の糸を紡いだ。


あの時も凄いなと思ったが今回も腎臓疾患と闘いながら優勝に貢献するとは・・・・。