F・マリノス○2−1●FC東京

 

波に乗ったときは強いが勝負強さというものに欠けるF東京。

相手は勝負強さでいえばJ最高クラスであるマリノス

F東京のしたたかさ、勝負強さを試されるゲーム。




前半はマリノス、F東京互いに探り合うような内容。

双方の守備陣が集中切らさず、決定的なシーンはほとんど見られなかった。

そんな中生まれたマリノスの先制点、25分奥のゴールは

F東京守備陣が生んだ一瞬のスキを見事についたもの。

ペナルティエリアユ・サンチョルが落とし、フリーの奥がミドルシュートを綺麗に決めた。

ユへのマークはゆるかったし、奥へ寄せる人間もいなく、シュートコースを消しにつめる人間もいなかった。

3つのミスを見逃さなかったマリノスがしっかりと先制。

こういったミスをマリノスは見逃しませんから。

そこが強さだよなぁ。





前半43分ドゥトラが負傷退場しそこで登場してきたのは佐藤由紀彦

ついに出てきた。1stのF東京vsマリノス戦では結局出てこなかっただけに凄い盛り上がりだ。




もちろん、F東京側のサポータが。





凄まじいブーイング。怒号。

そして「俺達〜の〜直宏〜」「石川!石川!」という石川への応援。

むしろ、石川への応援と言うより明らかに由紀彦にむけての皮肉コールだと思う。

ここで俄然石川と佐藤のプレーに注目が集まる。





石川は古巣相手に気合が入っていたのか、ドリブルがキレるキレる。

2,3人は軽くぶち抜く爽快なプレー。

しかし、周りのサポートが欠けていたためにチャンスへとつながらないのが苦しい。

抜いても抜いてもすぐマリノスの選手が潰しにかかってくるし

前線へのパスコースは全てふさがれていたのでバックパスせざるをえない。




一方の佐藤。

68分のドリブルからドンピシャのクロス。

よかったシーンはこのワンシーンのみ。

マッチアップした鈴木にやられたり、単純なミスをしたり、

75分には押し込むだけのビッグチャンスをふいにした。

守備面でも50分にペナルティエリアぎりぎりのきわどいところで

相手を倒してしまうなど穴と言っていいプレーに終始。

後半ロスタイムに栗原と交代となったがしょうがない出来だった。





もちろん、マッチアップした鈴木が非常に良かったのもある。

猛然と駆け上がり、果敢に勝負を挑み、足がつるほど全力を出し切っていた。

それになんといってもフリーキック

この日も超強烈な砲撃をかます

榎本ははじくのが精一杯だったが、助走わずかであの威力を撃てるとは・・・・・。

一体どんな筋力なんだ。

やばすぎる。





ここまで書くとサイドで良かったのは鈴木と石川となりそうだが、

この日サイドで一番良かった選手はマリノスの田中である。

前半は右サイドでプレー、佐藤投入からは左サイドでプレーしていたが

どちらのサイドでも関係なく素晴らしい出来だった。




馬場を守備に専任させ、加地をぶち抜き、金沢を困らせ、

クロスにドリブルにシュートと脅威の存在だった。

後半、マリノスは右サイドからではなく左サイドから幾度となくビッグチャンスをむかえたが

その起点となっていたのは田中だった。

84分のシュートシーンは見事。

ドリブルで2人ほどかわしながらシュート。

土肥のファインセーブで得点にはならなかったが、

完全に枠内をとらえていた。






また、マリノス守備陣も凄かった。

この日は松田、中澤の2人に河合がでていたが、

どうやっても崩せない。

河合はそこまでではなかったが

松田、中澤は常に一歩先でボールを奪取し、

空中戦では抜群の強さを見せ、フィードもよく圧倒的な存在感。

 



マリノスは後半開始早々にセットプレーで失点をきしたものの、

その後は安定した固い守備を披露し、攻撃面では田中の切り崩しでチャンスを作った。

結果としてPKでの僅差な勝ち越しとなったが内容的にはマリノスの完勝であった。





F東京の高い位置で中盤がカットし、そこから生まれる高速カウンターもよかったが

シュートまで持ち込むことは少なく、一対一などの決定的シーンは皆無。




対するマリノスは75分の佐藤、77分清水、78分安、84分田中、87分清水と

完全に相手を崩したビッグチャンスが何度もあった。





全てシュートミス、土肥のセーブで防がれたものの
この2−1という結果は内容的に妥当だったといえよう。





中坊コラム   http://www.geocities.jp/j1koramu/